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セドナ™ゴールドのオメガ スピードマスター “ファースト オメガ イン スペース”を実機レビュー

もしあなたが常連の読者なら、私がオメガの歴史的に重要なRef.2998の2012年復刻版をどれほど気に入っているか、すでにご存じだろう。ウォルター・シラー(Walter Schirra)が1962年にシグマ7の飛行で着用したモデルだ。どうしてもオメガに返却する気になれなかったので、この記事を掲載した数日後に自分用の1本を購入した。この時計はお気に入りとしてすぐに私のコレクションに定着し、2016年にはその年の“最も身につけた時計”のタイトルを獲得した。2017年も半分が過ぎようとするなかそのタイトルは維持されそうなばかりか、むしろ腕につけている時間が長ければ長いほどありがたみが増していくようだ。Ref.2998の純粋な復刻版としてだけでなく、スピードマスターシリーズの最高の特徴をすべて備えたモデルとして楽しんでいる。

The Omega Speedmaster First Omega In Space in Sedna Gold.
オメガ スピードマスター ファースト オメガ イン スペース セドナ™ゴールド

 皆に愛される“FOIS(ファースト オメガ イン スペース)”のモデルであるセドナ™ゴールドのファースト オメガ イン スペースに対して、常に少し複雑な思いを抱いてきた。この時計は間違いなく豪華で、私のFOISのデラックス版である。しかし私はこれをスピードマスターから大きく逸脱したものだと常々思ってきたし、この逸脱がうれしいとは言い難い。2015年にこの時計が発表されたとき、スピードマスター愛好家のほとんどはこの時計を歓迎し、何人かはその魅力を私に伝えようと懸命に説得したが、いくつかの理由から私はその声に耳を貸すことができなかった。

 第一に、1960年代のほとんどすべてのクロノグラフに対するスピードマスターの最高、最信頼性の日本オメガスーパーコピー販売専門店!最大の特徴は、その統一されたブラックダイヤルである。パンダの配色は魅力的であり、セドナ™ゴールドエディションのオパライン文字盤とブラウンのインダイヤルは特にうまくいっているが、オメガは敵の領域に侵入しているような感じもする。セドナ™ゴールドエディションを実際に手にしてわかったことは、20年前に別のモデルがこの前例を作ったということだ。

My own Omega FOIS.
私のオメガFOIS。

 第二に、おそらくもっと重要なことだが、私はスピードマスターを貴金属にすることは少々ブルジョア的な動きだといつも感じていた。スピードマスターは手ごろな価格のスポーツウォッチだった(私は今もそうだと思う)し、間違いなくデイリーユースの時計だった。1万8000ドル(当時の日本円定価は税込198万円)のセドナ™ゴールドエディションは、オメガの顧客層の一部にとっては変わらず手ごろな価格だろうが、スピードマスターの精神に則っているとは思えない。

 しかし、最近この時計と充実した時間を過ごす機会を得たことで、私の論点のいくつかは再考を迫られたと言わざるを得ない。


パンダ文字盤のスピードマスター。これに文句をつける理由があるだろうか?

 セドナ™ゴールド FOISの実物を見てすぐに、その豪華な美しさに衝撃を受けた。私の時計とは似ても似つかないが、なんとも美麗だ。数年前から時計の写真を撮っていて気づいたのだが、見栄えのいい時計ほど撮影がしやすい。写真を見てもらえればわかることだろう。目の保養と呼ぶべき時計があるとすれば、この時計のことだ。

If you ignore the Speedmaster's reason for being, you have to admit this is pretty terrific looking.
スピードマスターの存在意義に目をつむれば、この時計が相当カッコいいことは認めざるを得ない。

 これはFOISのエディションのひとつ(オメガは昨年別のパンダ文字盤を発表したが、こちらはブルーとホワイトでステンレススティール製ケース)だが、私が持っているものとは似ても似つかない。親しみを感じるが、視覚、触覚的にまったく新しい体験を提供してくれる。

It's hard to see past the new dial but everything you see here you see in the original FOIS (but this time with more gold).
この新しい文字盤を無視するのは難しいが、ここに見られる要素はすべてオリジナルのFOISと同じだ(これにはもっとたくさんゴールドが使われているが)。

 あまりに見た目が異なるため、このふたつの時計に共通点があることを忘れてしまいがちだ。ケースの大きさ(39.7mm)、90以上のドットが付いた外付けのタキメータースケール、時・分針のアルファ針、インダイヤルのバトン針などオメガはそのすべてをそのまま温存しているし、機械的な面でも目新しいものは何もない。どちらの時計も、ウォルター・シラーの時計に搭載されていたものとは異なるレマニアをベースとしたCal.1861を用いている。このムーブメントはオメガが1968年から使用しているものをベースにしている。

 しかし今回の変更はかなり重要だ。オメガはゴールドを使用することにしたわけだが、それもただのゴールドではなく、レッドゴールドとピンクゴールドの中間のような温かみのある色調を実現するために、ゴールド、銅、パラジウムを組み合わせたユニークで独自のものを選んだ。それを引き立てるためにオメガはブラウンのセラミック製ベゼルを生み出したのだが、これもまた真っ黒なセラミックよりも豊かなニュアンスを生み出している。


 そしてゴールドであるがゆえに、その特徴的な外観に加えて、この時計の最も慣れない特徴のひとつは重さである。予想されるとおり、セドナ™ゴールドバージョンは手首にずっしりと重く感じられる。これはスピードマスターのオーナーの多くが慣れ親しんでいるものではないだろう。スピードマスターの大部分(多くのバリエーションがあるわけだが)はSS製であり、古典的なモデルのいずれかを着用したことがある人なら、大体どのモデルも似たようなつけ心地だ(プレムーンとムーンウォッチのケースを比較すると若干の違いはあるが、一般的に、どの通常サイズのスピードマスターも同じような着用感だ)。

My wedding ring as a point of reference to show the difference between traditional yellow gold and Omega's proprietary Sedna Gold alloy.
結婚指輪が伝統的なイエローゴールドとオメガ特有のセドナ™ゴールドのいい比較対象になっている。

 オリジナルのFOISと、このゴールドエディションを直接的に比較することはできないが、私がこの現行バージョンに無くて寂しいと思う特徴のひとつは、時を告げる機能とクロノグラフの明確な区別である。私はこのポリッシュ仕上げされたSSとペイントされたバトン針による区別の表現は素晴らしいと思っていた。セドナ™ゴールドバージョンでは、すべての針(と植字されたロゴ)がゴールドである。もちろん、ゴールドの針と白いバトンのコントラストは、あまりに鮮明すぎかもしれない。

The Golden Panda, a limited edition for the Japanese market.
日本市場向けのゴールデンパンダ。Photo: Kirill Yuzh and Omega Forums

 オリジナルのFOISとセドナ™ゴールドエディションで興味深いのは、前者がウォルター・シラーのRef.2998の特徴を懸命に再現しようとしているのに対し、後者はその逆方向へ自信を持って一歩を踏み出していることだ。しかし、オメガがゴールドのパンダ文字盤を持つスピードマスターに挑戦するのはこれが初めてではない。日本のコレクターは伝説のゴールデンパンダを覚えている人もいるだろう。1997年に発表された伝統的な白黒パンダダイヤルのYG製ムーンウォッチの40本限定モデルだ。正直なところ、よりソフトなセドナ™ゴールドとブラウンのベゼルおよびインダイヤルを備えた新エディションのほうが、ゴールデンパンダよりもはるかに好みだ。しかしこの時計がスピードマスターの歴史のなかでどのような位置付けにあるかを理解することは重要である。

The Omega First Omega In Space in sedna gold viewed from the back.
この時計はシーホースのメダリオンと“The First Omega In Space”、“October 3, 1962”という文言が彫られたソリッドケースバックを備えている。

 では、セドナ™ゴールド FOISはどんな人に向いているのだろうか。ヘリテージモデルを何本か持っていて、もうちょっと華やかなものが欲しいというスピードマスター愛好家なのか(この時計はその点では満足できる)。それともそのストーリーにはあまり興味がなく、デザインが新しくてもそうでなくても、ただ見栄えのする時計が欲しいという人なのか。本当のところはわからないが、この時計としばらく過ごしてみて確かなのは、このあまりにスピードマスターらしからぬゴールドのスピードマスターに、1万8000ドル(当時の日本円定価は税込198万円)出すような人間になりたいということだ。

グランドセイコーの人気の桜ダイヤルをクリーミーな色合いに仕上げた、新作のSBGH368である。

最近、サイトにはグランドセイコーの記事が多く掲載されている。3本の新作発表に加え、先週公開されたセイコーウオッチ株式会社 代表取締役社長の内藤昭男氏とGSグローバル本部長同兼執行役員の柴崎宗久氏による素晴らしいビデオインタビューもあった。通常なら、少しあいだを置いて情報過多にならないようにするところだが、今日発表された時計は見逃せなかった。グランドセイコーのゴールドケースモデルのなかで、これが個人的に最も気に入っているかもしれない。62GSケースのリファインモデルにローズゴールドを採用し、人気の桜ダイヤルをクリーミーな色合いに仕上げた、新作のSBGH368である。

SBGH368
2023年、グランドセイコーは手巻きスプリングドライブのCal.9R31を搭載した100本限定のSBGY026を発表した。そして今回、62GSケースに18KRGを採用した初のレギュラーモデルが登場。クラシックなデザインを継承しつつ、より力強く存在感のあるケースデザインとなっている。

スーパーコピー時計 代金引換を激安ムーブメントには約55時間のパワーリザーブを備える自動巻きのCal.9S85、通称“ハイビート36000”を搭載。ケースサイズは38mm×12.9mmで、シースルーバック仕様ながら100mの防水性能も確保している。ドレスウォッチとしては少しタフすぎるかもしれないが、個人的にはむしろうれしいポイントだ。

SBGH368
グランドセイコー SBGH368は、4月1日より発売を予定しており、希望小売価格は440万円(税込)だ。

我々の考え
昨年日本を訪れた際にこの時計のプレビューを見る機会があり、その素晴らしさに圧倒された。確かに、手巻きムーブメントでデイト表示のないSBGY026のほうが好みかもしれないが、RGと淡いクリームピンクのダイヤルの組み合わせは、間違いなく最高クラスの美しさだった。62GSケースは一般的なドレスウォッチよりも少し大胆なデザインではある(正直、“ドレスウォッチ”と断言すると議論が起きそうで少し怖い)。とはいえ、これが人生最後のゴールドウォッチになるかもしれないと思えるような1本であることは間違いない。

SBGH368
基本情報
ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
モデル名: ヘリテージコレクション メカニカルハイビート 36000 桜隠し(Heritage CollectionMechanical Hi-Beat 36000 sakura-kakushi)
型番: SBGH368

直径: 38mm(ラグ・トゥ・ラグは44.7mm)
厚さ: 12.9mm
ケース素材: 18Kローズゴールド
文字盤: カッパーピンク
インデックス: 18KRG製アプライド
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: クロコダイルレザーストラップ、3つ折りクラスプ付き

SBGH368
ムーブメント情報
キャリバー: 9S85
機能: 時・分表示、センターセコンド、日付表示
パワーリザーブ: 約55時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: ハイビートの3万6000振動/時
石数: 37
クロノメーター: なし、ただし日差+5~-3秒
追加情報: 耐磁4800A/m

価格 & 発売時期
価格: 440万円(税込))
発売時期: 2025年4月1日発売予定
限定: なし

ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバーにグリーンダイヤルが登場

ニバダ グレンヒェンが2023年にアンタークティック ダイバーを発表して以来、そのラインナップは一貫して変わらず、ヴィンテージにインスパイアされたブラックダイヤルがスキンダイバーシリーズの唯一のSKUとして君臨していた。しかし同ブランドの動向を追っているならば、創業者のギヨーム・ライデ(Guillaume Laidet)氏が常にアーカイブやウェブサイト、さらには個人コレクションを探索し、ブランドの歴史的オマージュや復刻のインスピレーションを探し続けていることを知っているだろう。今回ギヨーム氏が参考にしたのは、ヴィンテージウォッチショップで見つけた1970年代のニバダ アンタークティック シーだ。オリジナルはよりユニークなクッションケースを採用していたが、そのエメラルドグリーンのダイヤルは現代版アンタークティック ダイバーのプラットフォームに受け継がれ、新たな限定モデルとして登場することとなった。

今回は、すべてがダイヤルに集約されている。とても鮮やかなグリーンであり、その彩度の高さによって暗い環境でも色が損なわれることはない。サンバースト仕上げが際立ち、明るい光の下ではダイヤルのメタリックな質感が、はっきりと見て取れる。この仕上げの強調により、暗い場所でもダイヤルは単調になることなく明暗のコントラストが生まれ、常に表情を変え続ける。正直に言うと、このカラーリングはチープに見えてしまうのではないかと心配していたが、実物を手に取るとその仕上がりは期待以上に印象的だった。

ダイヤル周囲には、極上スーパーコピー時計ー販売専門店そら~プリントされたホワイトの分目盛りが配されており、その内側には大型の横長な長方形のインデックスが並ぶ。3・6・9・12時位置には厚みのあるファセット加工が施されたメタル製アプライドインデックスが採用され、それ以外の時間帯には、ブランドが“クリームラテカラーのパティーナ”と称する夜光インデックスが配置されている。だが実際に見るとコーヒーのような色味はなく、むしろグリーンイエローに近い印象を受ける。それでもすべてのインデックスは分厚くワイドに設計されており、このデザイン特有のユニークなプロポーションに貢献している。

これらのインデックスを引き立てるのはきわめてワイドな針だ。私がこれまで見たなかでも最も幅広い針であり、小振りな38mm径のケース内でその存在感が一層際立っている。時・分針は四辺が面取りされているものの、中央部分にはファセット加工が施されておらず、そのためダイヤル上での視認性が非常に高い。オリジナルのヴィンテージモデルから受け継がれたデザインとしては適切な選択だが、もしケースがラウンド型のクッションケースだったならば、このブロック状の針とのバランスがさらによくなったのではないかとも思う。ちなみに、これらの針は現行のアンタークティック ダイバーの標準的なブラックダイヤルモデルにも採用されている。しかし、今回のモデルでは長方形のインデックスと組み合わさることで、そのデザインがより効果的に機能しているように感じられた。

ヴィンテージからのインスピレーションはこれだけにとどまらず、オリジナルのタイポグラフィもこの現代版に受け継がれている。ニバダ グレンヒェンのブランドロゴ上に配置されたアイコンは、ヴィンテージのカタログリストに掲載されていたデザインを踏襲しており、6時位置の上には筆記体でAntarctic-Diver(南極ダイバー)とプリントされている。今回、自分が手に取ったのはノンデイト仕様だったが、ギヨーム氏はよりオリジナルに忠実なフレーム付きの日付表示モデルも展開している。ブラックダイヤルとは異なりこのモデルには、幸いにもサイクロップスレンズが付いていない。

それ以外の点は、基本的に標準モデルのアンタークティック ダイバーと同じだ。ステンレススティール製のケースは直径38mm、厚さ12.9mmで、ケースサイドはポリッシュ仕上げ、トップとボトムはヘアライン仕上げとなっている。ニバダの多くのモデルはエッジがシャープで明確なラインを持つことが多いが、このモデルはケースのトップからサイドへの移行がより滑らかで、人によってはややポリッシュが強すぎると感じるかもしれない。一方でCNC加工直後のような無機質な印象はなく、適度な仕上がりにまとまっている。ベゼルにはセラミックを採用し、この価格帯で一般的なアルミニウム製よりも高級感のある仕上がりだ。ベゼルは圧接式で、クリック機構のない双方向回転式。適度な抵抗があり、しっかりと固定されている。しかしこの時計を本格的なダイビングツールとして使用する人は、実際にはほとんどいないだろう。

この時計の全体的なサイズ感は非常に装着しやすく、200mの防水性能を備えた実用的なダイバーズウォッチとなっている。さらにトロピックラバーストラップが手首にしっかりとフィットし、快適なつけ心地を実現している。ムーブメントにはニバダの標準仕様であるソプロード製PO24キャリバーを搭載し、パワーリザーブは約38時間。ノンデイト仕様だと、ゴーストデイトポジションが生じる点は理想的と言えない。裏返すとペンギンの刻印が施されたデザインが現れる。こんな楽しいデザインなら文句はない。

今回のアンタークティック ダイバーは150本限定で、ノンデイト仕様とデイト表示付きモデルがそれぞれ75本ずつ製造される。販売価格は標準モデルと同じ995ドル(日本円で約15万円)に据え置かれており、グリーンダイヤルは限定モデルとしての個性を際立たせるユニークなカラーバリエーションとなっている。これが画期的かつ革新的なモデルかと言われれば、答えはノーだ。しかしニバダが手がけたハイパースタイライズドなデザインと鮮やかな発色は、定番とはひと味違うモデルを求める人にとってよい選択肢となるだろう。

ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバー グリーン。ステンレススティールケース、直径38mm、厚さ12.9mm。ノンデイト仕様とデイト表示付きのグリーンダイヤル、ダブルドーム型サファイアクリスタル、両方向回転式セラミックベゼル、200m防水。ソプロード製自動巻きCal.PO24搭載。ストラップやブレスレットのバリエーションあり。価格は995ドル~(日本円で約15万円~)。

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