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友人の店。

先日、友達のやっているお店に行きました。
その友達とは高校からの付き合いで、卒業をして同じ建設業にも入り、
寮も同じでした。

彼は一年ほどで辞めて、東京で消火器を売ったりしていましたが、
やはり戻ってきて、違う建設業などをしていました。

昔(今もあるのかな?)、ジーンズショップの「レオン」だか、そんな店が
あったと思うんですが、そこにもいて一度遊びに行ったら、他のスタッフが
「後藤さんなら休憩で車の中にいますよ。」と。

で、車の中をのぞくと彼は車の中で”サックス”の練習をしていました。
「なにやってんの?」
「うん?かー、これねぇ、”サックス”って言うの」
「へぇ~。」
「やってみる?」
「うん。フゥー、フゥー」といくらやっても音が出ません。

横で彼がニヤニヤとしています。
「どら、かー、貸してみぃ。ブゥワー、プププー」と良い音色が。
「おれ、音楽をやろうと思って。」
「へぇ~、そう。」と、
その時は正直あまり興味がなかったので適当な返事をしていました。

それから数年して、彼から連絡があり
「かー、俺、ケントスで”サックス”吹いているから、一度見に来てね、
レギュラーが休みの日曜日の2軍だけどさぁ。(笑い)」と。

その頃、”ケントス”は中々の繁盛店で、しかもそれなりの”スティタス”があり
そのステージで同級生が演奏してるなんて、嬉しくてさっそく行きました。

友人が出るまで「ソワソワ・ワクワク」なんだか、自分まで緊張します。
で、いよいよ彼らが出て来ました。

日曜日なので、しかもレギュラーではないので、来ているのは観光客か
バンドの知り合いくらいなものなで、閑散としているので彼がすぐにあたくしを
みつけて、ステージから手を上げて答えてくれました。

高校の同級生、しかも応援団で、そして建設業を一緒にやってきた友人が
いま目の前で、ステージに上がり”サックス”を吹いている。

なんだか、あの車の中で練習していた姿が目の前の彼と”ダブって”見えて
何ともいえない、熱いものが胸にこみ上げて来て、背中がゾクゾクとしました。

いま、彼は店をやって20年くらいになります。
ずーっと、一人でやっています。お金が無い時には昼間はペンキ屋のバイトを
して、ほとんど寝ないで店に来て、バンドの練習もしてという生活を5、6年
やっていました。

現在は、バンド仲間や20年の間に培ったお客さんのお陰で、順調です。
もちろん、バンドで地方へ行き宿泊する以外は無休です。

先日行くと8人も座れば満席の店ですが、お客さんがあふれて
カウンターの中までお客さんが入って、両面カウンターになりながら賑わっていました。

一人で20年もススキノでバーをやっていくと言うのは、本当に大変なことです。

よく、あたくしは「それなりの人を使うのって大変でしょう、苦労するでしょ。」と
言われますが、確かに苦労はしますが、それ以上に張り合いもありますし、
色々と話したりするので心強くもあります。

しかし、一人と言うのは確かに自分だけのことを考えておけばいいですが、
その分、色々な誘惑に負けないように、自分自身に甘えないようにと
ある意味において、一人でやるほうがキツイと思います。

20年間、ちゃんとやって来たので今があるのだと思います。

彼は言います、
「かー、俺は、本州から帰ってくる時にお金が底をついて青森で往生していた
時に、かーが交通費を送ってくれたおかげで今があるんだよ。かーは命の恩人
なんだよね。」と、たまに彼の店で懐かしい歌を聴きながらこう話します。

たまに、同じものを飲んでも金額が違う時もあるけど、水槽の中の金魚が
死にそうな時もあるけど、でも、これからも通いたい店の一つです。

”あっき”、また近々行くから。

でも、どうでして”あっき”の店に行くと、ひどく酔うのだろうか?
おかげで昨日は、ずーっと家で寝てました。。。。。

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