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最初の一声。

街はすっかりと大晦日やお正月に備えて買い物をする人や、
それに伴い飾り物とかが目につくようになりました。

あたくし特に注連縄(しめなわ)などを売っているところを
見ると、高校生の時に初めて対面販売をして”注連縄売り”の
バイトをしたのを思い出すのです。(露店ってやつです)

友達から誘われて29、30日と二日間売ったのですが、
最初は恥ずかしくて中々声が出せないまま一日目は過ぎたの
ですが、二日目は少しは慣れたのと結構忙しくて、

一日目はどうにかお客さんから声を掛けられないように
していたのですが、忙しくてそんなことを言ってる暇もなく、

おばちゃん達から「おにいちゃん、これちょうだい!」とか、
「おにいちゃん、これいくら?5000円?もっと安くならないの!」
だとかと、容赦なく話しかけられるので逃げようがないのです。

で、「これではダメだ!後手後手になってしまっている」と思い、
開き直って「はい!いらっしゃいませ!どうぞ!」と大きな声で
言ってみると、何だか今まで胸につかえていたものや白黒だった
視界が急に「サーッと」晴れて、カラーになったんですね。

それまでは、「高校生のアルバイトだから」といった甘ちゃんな
考えがどこかにあったんだと思いますが、

「人間、追い込まれれば何とかなる。」ではないですが、
状況がそのようにあたくしを後押ししてくれたおかげで、
それからはとても調子が良くそして面白く感じるようになったのです。

それまでは大人の人と話すのはほとんど親か親戚や
学校の先生でしたが、まったくの他人の大人と、しかも
商売を通じて”対等”に話せたり、そのように見られたのが
注連縄を売りながらも、非常に嬉しかったのを覚えております。

あたくしにとって生涯忘れられない思い出です。

そういえば、飲食の仕事をした最初の頃に同じような感覚に
なった記憶があります。

注連縄売りの経験があったからなんでしょうね、きっと。

最後の日にお給料を頂きました。
別に時給がいくらとかは聞いてなかったのですが、二日間で
1万2、3千円ほどもらったと思います。

高校生が二日間で稼いだお給料としては多いほうで
それ自体も意外でしたが、それより自分で働いてしかも
ある意味、自分自身の”殻”を破って得た対価が非常に
嬉しかったのです。

ただ、不思議だったのは、1万2、3千円全てが”千円札”ばかり
でいただいた事です。何か意味があるんでしょうかね?

児玉さん本ありがとうございます。

忘年会、楽しかったです。
ご馳走さまでした。(後半は憶えてませんけど)