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あの人は今。。。。。

その昔、建築業で仕事をしていたとこの”トップギア!!”で
度々書いておりますが、あたくしは本州方面への仕事が
多く、その中でも青森が(青函トンネル系)ダントツで
次が東京の練馬でした。

練馬では仕事をもらう会社の寮に宿泊していましたが、
そこにも色々な人がいて、様々な生い立ちの人がいました。

あたくしの上司が若いときに兄弟で仕事を教えてもらうのに
そこにいた関係で、まだその時の先輩や師匠のような人達もいて、
普段あたくしたちから見れば怖い上司もそこでは
若いときのあだ名で呼ばれていて、あたくしたちを怒っても
「チャーも偉くなったもんだな。」などと言われて、小さくなってる姿を見るのが、
ささやかな抵抗でもありました。。。。。

ちなみにその上司は「パラオ」とあたくしたちから言われていて、
なぜ「パラオ」かと言うと、ショートのパーマをかけていて、短気で
怒ると顔が真っ赤になるのと、「タンパラ」が少しずつ変化して
「パラオ」と、まるで「カスティーリャ」~「かすてえら」~「カステラ」と
なったような感じだと思います。(あくまでも主観ですけど)

まぁ、「パラオ」の話は次回と言うことで、その寮にいた時に
思い出に残る人を紹介しますね。

エントリナンバー1
”あきやん” この”あきやん”は東北から出稼ぎに来ている人で
普通東北からの出稼ぎは雪が降り農家仕事がなくなる冬に来るの
がセオリーですが、この”あきやん”は猛暑真っ盛りの”夏”に
2ヶ月ほど来て、その間ほとんど休みなく昼夜働いていたので、
ゲッソリ痩せて、がっぽり儲けて帰っていくのでした。

なので、よく他の人達から「あきやん、そんなに稼ぎすぎても体を
壊したら元も子もないぞ。」と言われていましたが、いっこうに聞く耳なんか
持たずに、黙々と昼夜問わずに2ヶ月ほどで100万以上を稼いでおりました。

最初”あきやん”を見たときには「えっ!旧日本軍って、まだいたの?」と思うくらい
目はくぼんで頬は痩せこけて、体も骨と皮状態だったのを今でも忘れません。。。。。

エントリーナンバー2
”ゲンさん” ゲンさんは寡黙な人で、あまり人と話している姿を見たこと
がありません。日曜日の昼下がりに屋上にある洗濯場へ行くと、いつも
そこには”ゲンさん”の姿があり、何時間も洗濯機のぐるぐると回るのを
見ていました。

一度、意を決して”ゲンさん”に話かかけてみました。
「ゲンさん、いつも洗濯機を見てるけどどうして?」
「別に理由なんてないよ、ただ、見てるだけ。けど・・・・・」
「けど?」
「なんか心も洗われるような気になるんだよな。」
2ヶ月いて、”ゲンさん”と会話をしたのはそれだけ。
でも、あたくしより何年も働いている人もほとんど会話してない感じでした。。。。。

エントリーナンバー3
”若林さん” この人は「超有言実行」で、どんな状況でも
一旦自分で口にしたことは実行に移す人で、酒の席で”若林さん”と
話の流れで約束などしようものなら、こっちが忘れていようと”若林さん”は
一人でも実行に移す人なので、酒を飲んでいるからとは言え”うかつ”な
ことは言えなく、ある事件があってからはいくら一緒に酒を飲んでも酔わないのでした。。。。。

「あれ!?なんでまだそこにいるのよ?」
「えっ?なにが?」
「だって、若林さん、今日は北海道の奴らと飲み行く約束したからって、
さっき、出て行ったぞ?」

「先輩、そんな約束しましたっけ?」
「さぁー?」
「あっ!先週、部屋で一緒に飲んでた時
”あっちむいてホイ大会”で勝って、先輩が若林さんに来週は”スナック道”ですね。
って言ってませんでしたっけ?」

「まさかー、あれから何度も現場に一緒に行ってるし、何度も部屋で
飲んでるけど、一度もそんな話し出てなかったぞ?しかもあれは冗談だろ?」
「ですよねー。。。。。」

夜中の2時過ぎに”若林さん”が帰ってきて、
「若林さん、どこ行ってたんですか?」
「今日は”道”で飲むって言ってたよな、俺は行くって言ったら一人でも行くんだよ。」
「・・・・・ ・・・・・ ・・・・・」

暑すぎて、帰りの車の中では「ビール、ビール、アイス、アイス」と幾度もリフレイン。
寮につくなり、風呂も食事もとらずに商店へ駆け込み、アイスを一気に食べて
幻にまで見たビールを飲むと、アイスの冷たさでビールがぬるく感じることを
勉強になりました。

朝は5時半に起きて、一旦帰ってきて仮眠をとり、22:30頃に出て行き
路線脇で終電が過ぎるのを待ち、始発まで作業をしていたので
かなりハードでしたが、いま思い返してもあの経験や人たちとの出会いは
とても貴重であたくしの記憶にいつまでも残っています。。。。。