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雪の降る日には。

以前にも度々「トップギア!!」にも書いていますが、
あたくし飲食をやる前は主に建築業関係の仕事を
しておりました。

アルバイトでもそっち系だったので、冬はあまり仕事もなく
かと言って、アルバイトなので「失業保険」などなく、
いつもギリギリの生活をしていました。

まぁ、今でもギリギリはギリギリなのですが無駄使い(お酒)
を控えればなんとか生活はしていけるし、真面目にやれば
アルバイトの時とは違い、いつどうなるか?とか、これから
どうしようか?なんて不安やリスクも少ないはずです、今の所は。

でっ、お金のないあたくしが何をしたかと言うと(なんせ、1日の
生活費が500円未満)、今と違い20年前はこの時期は
ススキノも多いに賑わっていまして、地下鉄を乗り過ごすと
タクシーか歩きなのですが、そのタクシーさえも中々乗れないという
現在と比べればとても羨ましく夢のような時代でした。

それで、代車のオンボロスカイラインでしかもスパイクが
一つのタイヤに4~6本くらいしか付いていなく、とても
危険が危ない車に乗っていて、

当時住んでいた、豊平区4条10丁目NAC(ナック)ビルに
住んでいたあたくしは「そうだ!ススキの帰りにタクシーに乗れない人を乗せて
稼ごう!!」と考えたのでした。

我ながら「グットアイディア!!」で、しかし、その時は知らなかった
のですが、これは「白タク」と言い完全に違法行為なんですね。

当時はそんな知識もなく、ただ目先の生活費のことだけで、
「善は急げ」とばかりに、(ちなみに「善は急げ」を辞書で調べると、
よいことはためらわずすぐに行え。だそうです)その日からさっそく
危険が危ない車でやり始めたのです。(しかも、まったく地理も
分らずに)

どうせなら、自分の住んでいる近辺かその延長線なら、ピストン
運動でなんとかなるだろうと考えました、アホです。

「あっ、どこ行くんですか?こんな夜中に一人歩きは危険ですし、寒いですよ~」
「無視」
そっか、ナンパじゃないもんな、しかも男同士だし。

よし、次は、
「すいませ~ん、もしよろしければ車で送りますよ~」
一瞬、とまるのですが、あたくしの顔と車を見て、すたすたと足早に
逃げるようにして去っていきます。中には「勘弁してください!」
と言う人まで現れる始末でした・・・・・。

それで、かとちゃん考えました。「!」、そうだ金額を先に提示すれば
いいんだ、多分向うも安心するし。
なぜか成功もしてないのに「ツイテルな~」と
勝手に成功した気分になっておりました。(その辺は今もあまり変わらない)

ここで、なぜ「500円」にしたかと言うと、単純にその時の1日の生活費が
「500円」だったので、無意識のうちに「500円」に固執していたのだと
思います。しかも、「4回やりゃあ2000円でしばらくは楽できる」と。

「ザ・ノルマ2000!」です。

「あの~、怪しいものじゃありません、よろしければ、どこまで行っても500円で
いいので乗って行きませんか!」と、満面の笑顔で話しかけました。

結果ですか?多分、口元は微笑んでいたけど、きっと目は笑っていなかったんだと
思います。
ガソリン代だけが無駄になり「人生の厳しさ」を思い知らされて帰ってきました。
てっ、言うか成功していても「捕まってた可能性大」でした。

それが、深々と雪が降り積もる二十歳の12月の思い出です。

「さとか、いまいくつ?」
「はい、来月の1月で21なので、いま二十歳です」

あっ、そう。。。。。